小学生の3人に1人が

視力1.0以下。

子どもの近視が過去最高に

最近、近視の子どもが増えている印象はありませんか? 実はこの30年ほどで子どもの視力低下がどんどん進み、過去最高に。いま、近視が深刻な社会問題となっているのです。

TOPICS

  • 視力0.3未満の小学生の割合が30年で3倍以上に
  • 「たかが近視」ではない!?
  • 近視が原因で失明することも
  • 子どもの視力低下は、早めに対策を

視力0.3未満の小学生の割合が
30年で3倍以上に

文部科学省が2016年に実施した調査によると、裸眼視力が「1.0未満」の小学生の割合は31.4%、「0.3未満」は8.6%という結果でした。この数字だけ見ると「そんなものか」と思うかもしれませんが、1979年の調査では「1.0以下」の小学生の割合は17.9%、「0.3未満」は2.6%でした。

【「裸眼視力1.0未満の者」の割合の推移】
出典:文部科学省『学校保健統計調査』(2016年度)

つまり、ここ30年ほどの間に、裸眼視力が「1.0以下」の小学生の割合は1.5倍以上、「0.3未満」の割合は3倍以上に増えているのです。裸眼視力が「1.0未満」の割合は、中学生で54.6%、高校生では65%に達し、その割合は年々増え続けています。

「たかが近視」ではない!?

子どもの近視が増えているとはいえ、「仕方がない」「視力が下がったら、メガネを使えばいい」と思っている方は多いのではないでしょうか。たしかに、メガネやコンタクトレンズを使えば、日常生活に困ることはさほどありません。

近視とは、遠くにピントが合わない状態の目です。近視はこれまで、成長とともに進行し、大人になると止まるものと考えられていました。ところが最近は、大人になっても近視の進行が止まらないケースが多くみられるようになってきました。

近視が原因で失明することも

近視がさらに進行すると、「強度近視」「病的近視」とよばれる段階になることがあります。強度近視とは、度数が−6D(マイナス6ジオプター)以上の状態。−6Dになると、ピントが合っているのは目の前16cmの位置になります。

「ジオプター」とは?

角膜や水晶体がピントを合わせるのに必要な屈折力を数値化したもの。近視側にいくと「マイナス」、遠視側にいくと「プラス」になります。

また、病的近視とは、目の奥行きが極度に伸びる、いびつに変形するなどして視力を矯正できなくなり、さらに網膜や視神経などに障害が出て、深刻な視力障害や失明に至るものです。

日本の視覚障害の原因となる目の病気の第5位が強度近視と報告されており、その割合は増加の傾向にあります。

【失明の原因トップ5】

第1位:緑内障 第2位:糖尿病網膜症 第3位:網膜色素変性 第4位:黄斑変性症 第5位:強度近視

出典:『網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究 平成17年度総括・分担研究報告書42. わが国における視覚障害の現状』

近視が増えているということは、近視によって失明する人も増えているということ。もはや、「たかが近視」とはいっていられない状態なのです。

子どもの視力低下は、早めに対策を

小学生の約3割、中学生の約5割、高校生の約6割が裸眼視力「1.0未満」であり、その数が増えているいま、子どもたちの視力低下は深刻な社会問題といえます。

一般的には年齢が若いと近視が進みやすいため、早めに対策を立てることが大切です。お子さんが「学校の視力検査で0.7未満と言われた」「テレビを見る距離が近い」「遠くを見るときに目を細めている」といった視力低下の兆候が表れたら、早めに近くの眼科を受診しましょう。

(参考文献)

  • ・文部科学省『学校保健統計調査』(2016)
  • ・『網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究 平成17年度総括・分担研究報告書42. わが国における視覚障害の現状』

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